惺式文歌邸

 

2014.06.30  つながらない
 朝の散歩に出ようと、荷物をまとめ、着替えも終えたところで、所用ができて、頓挫。家に籠る。 
 白昼あれこれと書いて過ごした。
 夕食後インターネットをしようとしたら、モデムがきちんとつながらない。二十分ほど格闘して、その二時間後ふたたびチャレンジを試み、どちらも失敗。結局この日は何処にもつながらないまま寝た。
2014.06.29  日常に近い言葉で
 起床時はまだ雨。それがしだいに晴れて、朝から散歩。まだ時期としては梅雨晴れなのだろうけど、空気が夏している。
 外食後、家に戻ってからは読書に時間を費やした。
 夜あれこれと書く。
 むかし本居宣長という人が「歌とは日常の言葉ではどれほど長く細密に言っても言い尽くせない深い思いも表現できる」と書いていた。表現できているかどうかはわからないけど、僕ができるかぎり日常に近い言葉で、たんなる日常の言葉では言い尽くせない思いを述べようとしている点では長年変わらない。できているのかね。
2014.06.28  どしゃ降りに遭うよりは良い
 はるばる電車に乗って買い物へ行く。多くの店をめぐりながら、結局なにも自分の物を買わないで帰ってきた。長い散歩をした気分。
 傘を差したり閉じたりを繰り返しながら歩くことにうんざりしつつ、それでもどしゃ降りに遭うよりは良い。
 歌を詠んだのは夜。外では雨が降っているのかどうかわからないほどの静かさだった。
2014.06.27  傘は要らない
 時々小雨が落ちる空。梅雨だなあ。
 午前中は読書。
 午後に散歩。降っているけど傘は要らない。散髪に寄ったり、気軽に遠回りをしたりして。歩き慣れた道も、しばらく間を置けば季節が違い、風景も変わる。こんな所にもアジサイが咲いていたのかと驚くこともしばしば。
 仕事は夜だ。それなりに進展はあった。
2014.06.26  鳩と一緒に
 くもり空。
 庭に鳩が一羽下りてゆっくり歩いていた。鳩は木が切り倒されてすっかり様変わりしてしまった庭に途惑っているようだった。そういえば僕はこの鳩ほどもその変化に注目していなかったことに気付き、サンダルを履き、庭に下りた。しばらく鳩と一緒に庭を眺めた。ほんの短い間。鳩はすぐ飛んで何処かへ消えた。
 あれこれと書いて、時を過ごす。
 午後はクリニックへ。べつに何事もない。
2014.06.25  夕方に降ってきた
 目が覚めると、快晴だった。
 外出して、途中、無洗米の米袋などを購入する。
 午後はパソコンに向かう。書くことも、読むこともたくさんある。
 三時過ぎから雲行きが怪しくなってきて、夕方には降ってきた。やっぱり梅雨なんだ。
 雀が群れて、小雨の中を飛んでいった。
 雨は六時には止んだ。
2014.06.24  不安定な空模様
 朝食からピザを腹に入れて、すぐ役所に行く。
 空は晴天。
 用事はあっさり片がつき、部屋での仕事に戻る。
 午後一時過ぎいきなりカミナリが大きく轟いた。近くに落ちたのかもしれない。それからも遠雷が続き、四時を過ぎて、ようやく大粒だけど短い雨が降る。どこかでゲリラ雷雨が暴れているのだろう。こちらはたいした降りではない。それでも不安定な空模様であることに違いはないな。
 夜のニュースで横浜市での落雷や多摩地方での雹を知った。やっぱり。
2014.06.23  伐採
 ときおり雲が広がる、まずまずの晴天。
 終日、庭に沿った川べりの木々を伐採している。チェンソー等ずいぶんひどく轟いて、どうして伐ることになったのか知れないが、耐えるほかなかろう。その代わり、川の向こう岸が一望できるようになり、ヤマアジサイの花が綺麗だ。
 午前中は買い物を兼ねて、散歩。本屋にも寄る。しばし立ち読み。
 家に戻ってからは、頭痛にも耐えていた。ひどい。
2014.06.21  なかなか進まない
 蒸している土曜日。
 朝の散歩から戻ると、ドッと汗が出た。それでもそれほど暑くはないところが梅雨晴れだ。
 午後は映画鑑賞。その後DVDでアニメを観る。目が疲れた。しばしその映像作品について考えこむ。
 それからは書こうとしているのになかなか進まない。嫌な日だ。
2014.06.20  未亡人の面前で
 早朝目が覚めたからテレビでサッカー観戦。日本チームは引き分け狙いの相手を攻めあぐねてスコアレスドロー。お疲れさま。
 先日借りた堀口大学の歌集『涙の念珠』を読む。師である亡き与謝野鉄幹を哀悼した一冊。一周期の墓石に額を押し付け泣いたり、こういう師と弟子の関係というものが現代でもどこかに存在しうるものなのか、想像を絶した本だった。(未亡人の晶子はそれを前にどうふるまっていたのやら)。もともと限定非売品で、こうした本は、秀歌のとぼしさなどは、はなから問題ではないのだろう。作者と面識があるにせよ、また無いにせよ、こうした年少の熱い支持者がいた鉄幹が、僕にはただただうらやましい。
 午後、頭をかかえてあれこれ書いた。
 早朝から始まった近所の道路の水道工事は、深夜、日付を跨いでなおも続いている。幸い騒音はさほどでもない。御苦労様。
2014.06.19  都議会でのヤジ
 まずまずの晴天。
 午後、小さな文字を追い続け目が疲れたので、庭に出て紫陽花を観賞する。ピンクの手まり咲きで、球形がずいぶん大きくなった。好い慰めとなる。
 それからはまた部屋に戻り文字を追った。
 都議会でのヤジが問題になってきている。ヤジった本人は名乗り出ていないそうだけど、周囲の人達はみんな誰の発言か聞いているはずで、発言の不適切性を理解していながら「聞こえなかった」「誰の声かわからない」としらばっくれているのだとすれば、これは子供らが学校でやっているイジメそのものだ。ヤジの発言者が一番の悪者であるのは当然としても、誰の発言か指摘しない周囲の人達もこれは立派な共犯者だと自覚してほしい。発言者が特定されなければ都議会全体の恥さらしだということを理解したら、今後の対応も適切な方向になるであろうけど、さて、どうなることやら。
2014.06.18  どこに何を造ろうと勝手だけど
 午前中しとしとと降る雨の中を所用を片付けて歩く。最後にパン屋へ寄り、昼食を買って帰った。
 食後、頭をかかえてあれこれと書く。もっと優れたものを書いているつもりなのに、数日して前に書いたものを読み返すと、さほどでもない。悔しい。
 ニュースによれば、日本にもカジノ施設を建てようと政府が検討しているそうだ。どこに何を造ろうと勝手だけど、僕なら少なくともカジノがそばにある場所へデートに出かけたり、家族と連れ立とうとは思わない。ましてや近くに住みたいとはまったく思わない。そういう人が少なくないのではないだろうか。その辺じっくり検討してね。
2014.06.16  「銀河鉄道の夜」を回想する
 晴天。
 午前中は駅前をぶらつく。
 昼食はカレー。
 それからはお仕事。歌稿の整理だ。
 夜ひさしぶりに「銀河鉄道の夜」を読む。最近は作者の宮澤賢治が書き残した幾種類もの原稿がそのまま活字起こしされている本が多いので、その四稿と五稿を拾い読みした。それらを編者が混ぜたかつての普及版が今は懐かしい。初めて読んだのは小学校の図書室に所蔵されていた本なので、正確に内容を思い出すことは、もはやできないけれども。
2014.06.15  父の日って何する日なのだろう
 陽射しの強い一日。窓やベランダを開け放して過ごす。 
 遅い朝食を終え、サッカーW杯日本対コートジボワールをテレビ観戦。ピンチやチャンスのたびに近所の家々から声が揚がる。試合は最初から日本代表が押されっ放しの展開で、なんとか先制したものの結局逆転負け。ゲーム後半は近所も静かなものだった。
 それからは寝そべって本を読んだり、だらけた日曜日に終始。
 ラジオで父の日にちなみ詩人の堀口大学について娘のすみれ子さんが話すのを耳にしたりしていた。
 それにしても父の日って何する日なのだろう。母の日ならばカーネーションを贈る日なのだけど。ちなみにアメリカではバラを贈るらしい。でも、この国でそんな風習を聞いたことがないね。わからないよ。
2014.06.14  ずいぶん蚊に刺された
 盛夏のような青空。
 外出したり、庭に出たりして、ずいぶん蚊に刺された。夕方あまりに痒いので、しばらく寝そべって過ごす。これでは活動的になりようがない。それまでなんだかんだと動いていたのだから、少し休んでも良いだろう。
 それからしばらくして執筆の時間。ずいぶん書けた。
2014.06.13  W杯が始まった
 未明にサッカーW杯が始まった。いきなりその初戦から生中継を視聴したりはしないけど、今日一日でなんとなくゴールシーンは結局十回ほども視てしまう。リプレイが多いから、そうなるんだ。誤審かどうか微妙な判定もあったし。それでも三度も視たらもう充分だよ。
 今大会は日本時間の真夜中に試合が行なわれることが多いので、生中継を目にすることはほとんどあるまい。残念だ。
 きょうは梅雨晴れ。出かけたのは朝なのに、陽射しがきつい。これで気温が上がったらどうなることか。
 帰宅後、仕事中は書くよりも考えこむ時間の方がはるかに長かった。まあ、そういう時だってある。でも捗らなかったということになるんだな。しようがない。
2014.06.12  半袖の腕がひんやり
 朝から歌稿に取り組む。思った以上に順調に進んだ。いつもこうであれば良い。
 外は降りそうで降らない曇り空。午後ときおり空が明るくなって、読んでいる本を照らした。
 暑過ぎもしない爽やかな一日。半袖の腕がひんやりして、何度か肌をさすって暖めたりもした。
2014.06.11  ふたたび大雨
 曇天。散歩に出たら、たちまち大雨。二十分ほど歩いたら小雨になった。
 昼食を買って帰る。
 食べ終わると、しだいに薄暗くなり、ふたたび大雨。
 ときおり外を眺めつつ、歌稿を整理する。軒下に吊るして乾かしている傘が揺れていた。
2014.06.10  三叉路で水道工事
 じとっと蒸し暑い。陽射しはあるのに空は白い。薄い雲を通して日光が漏れてきているのだ。梅雨にふさわしい。
 先日、近所の三叉路で水道工事を執り行なうというチラシがポストに入っていた。そして今日がその工事日。朝から大変な騒音が轟いている。
 無視して、ひたすら歌稿に向かった。
 すると、いつのまにか騒音が聞こえなくなっていた。工事の工程が別の作業に移ったのだろう。とりあえずホッとする。
 とりあえず仕事に区切りを付けたら、また聞こえてきた。
 そして夕食時に雨が降った。食べ終えたら止んだ。
2014.06.09  ピンクの紫陽花
 早朝さまざまな鳥の声を圧倒し、延々と大きな声で鳴いていたのは鳩。
 庭では紫陽花がピンクに色付き始めた。いかにも梅雨だ。
 駅前まで出たら大粒の雨跡が残っていたけど、ほかはごく細かい雨が短く降ったばかり。だいたい気持良く晴れている。
 午後は歌稿の整理に精を出した。
 夕暮にウグイスやカエルの声を聞く。仕事疲れの耳を慰めてくれた。
2014.06.08  ひさしぶりの晴れ間
 しだいに雨が止んで、午後二時過ぎには晴れ間も出た。気温はそれほど上がらなかったけど。ひさしぶりの晴れ間になんだかほっとした。
 ゆったり読書などして休息を取る。
 気晴らしに庭の雑草をむしり取ったりもして。
 夕方には軽く自転車で周辺を流した。
2014.06.07  大雨警報の下
 ひどい雨音。それに寒い。今月初めて長袖を着る。しかも時間が経つにつれていっそう冷え込んでくる。
 終日大雨警報の下、部屋に一人籠って、仕事をした。書くにはそんなに悪い環境ではないよ。
2014.06.06  防災無線から
 朝、どんよりとした空に折り畳み傘を持って外出したら、二十分ほどして案の定降ってきた。最後にはどしゃ降りとなる。
 部屋に濡れたズボンなどを吊るし、乾かした。
 午後そこでお仕事。それなりに捗る。
 日が暮れてから、市の防災無線から大雨警報発令を聞いた。それからも延々と雨。おまけに少し冷えこんだ。午前一時近くには再び防災無線が何かを伝えたのだけれど、強い雨音でよく聞こえない。ケーブルテレビで調べると土砂災害警戒情報だった。なんとまあ。
 とりあえず心して床に就いた。
2014.06.05  バッチリ梅雨入り
 予報から今日あたりが梅雨入りだろうと踏んでいたら、バッチリ。未明から降ったり、止んだりの繰り返しだよ。
 午前中、歌稿に取り組む。
 午後クリニックへ。医師から、
 「薬を半分に減らしましょう」
と言われる。それほど快癒してきたということかな。ふむ。
 帰りはかなりきつく降ったので、ズボンの裾が濡れた。
2014.06.04  壊れた手動シュレッダー
 ひとつミスをした。きのうは有害ゴミの収集日で、僕は壊れた手動シュレッダーを捨てるはずだったのだ。
 今日も黴落としを兼ねた掃除をしている途中、棚卸しをしていて、そこに壊れた手動シュレッダーを見つけ、思い出した。
 しようがない。
 ともあれ書類ケースなどアルコール消毒を行なう。
 雲が張り出しているのが気掛かりだったけど、朝の散策に出たら、たちまち晴天に。でも、それほど暑いとも感じなかった。ポロシャツ姿にぴったりの気象。
 夕方、外で風を通していた家具すべてを片付けた。なんとか梅雨入りに間に合ったかな。次はまた来月の土用にやろう。
2014.06.03  三冊読了
 ティーシャツ一枚で心地良い気候。もっとも白昼の日なたに出たら、そんなことも言ってられないほどの熱気なのだろう。
 今日はだいたい屋内で過ごし、歌稿の整理もする。まずまず充実した一日と呼べるかな。
 本も三冊読了した。もっとも全部きのうおとといに途中で読むのを中断していたものばかりだから。ひと息にさっさと終わろうとすればできたものをだらだら長引かせていたととれなくもない。べつに焦って早く読み終わらなくてもかまわないのだから良いのだけれども。
2014.06.02  新しい靴
 朝食を済ませ、散歩。新しい靴を買う。
 正午、家に戻り、梅雨に備えて、部屋の黴落としをする。何度も古びたタオルで家具を拭いた。ひと区切りついたのは、やっと夕暮。なかなか順調には進まない。それでも一歩、一歩、牛の歩みで進んではいるよ。新しい靴を穿いて、さ。
 仕事は深夜。書くのも、読むのも、考えるのも。
2014.06.01  衣替えの日曜日
 今年初めて半袖を着る。それにふさわしく程良い暑さ。
 日曜日。本をバッグに入れて外出。読もうとしたけど、腰を下ろすとここ数日の疲れからかうつらうつらと半睡状態で、あまり進まなかった。
 電車も、バスも混雑。駅前には海水浴客らしい姿の家族連れもいて、海開きにはまだずいぶん早いのに、不思議。
 帰りに子どものゴーグル、サンダル、下着などを購入する。小学生用にボクサーブリーフなんてあるんだ。初めて知ったよ。
 道ばたにヤマアジサイが咲いていた。六月なんだな。
2014.05.31  お寺のパーティー
 朝から本をかかえて、散歩。場所をあちらこちらと移りながら、読みふける。
 午後、建長寺で非公式のパーティーに顔を出した。女優とか、アナウンサーとかが参加しているような集まりだとは知らなかったので、最初は途惑う。それでも寺の管長さんから愛想良く声を掛けられ、少し肩の荷が下りたかな。
 開場が境内だからバーベキューなのに精進料理。ロシア料理とウクライナ料理が仲良く並んでいた。あまり食が進まなかったのは、けっしてその料理が理由ではない。
 暑さのせいかな。まさか。たしかに額から汗が滴り落ちるほどではあったけど。
 それから帰宅後も本を読み続けた。
2014.05.30  詩文庫の崩壊
 午前の読書中、本棚に本が入りきらないで積み重ねていたら、べつに地震があったわけでもないのに何の前触れもなく現代詩文庫とか現代歌人文庫とかの山がどどどっ一気に崩れてきたので、改めてまた積み直す。さすがに段ボール箱に詰めて押入の奥に置くのはしのびない。気軽にいつでも手に取れるところに置いておきたいから。でも、そういう本がほかにもいっぱいあるんだよな。
 午後、歌稿の整理。日を重ねるごとにしだいに乗ってきたのか進捗状況は良好。でも土日は休もう。
2014.05.29  お隣りで花火大会
 寝不足というわけではないのだけれども、無性に眠くてしょうがない。それでもなんとか眠らないで乗り切り、読書などする。
 正午を過ぎると、さすがに頭もしっかりしてきて、歌稿の整理が進んだ。
 八時を過ぎ、いきなり大きな爆発音が続いて、びっくり。お隣りの市で花火大会だった。それにしてもよく響く。市内でやっているのと変わりないほどの音量。近くに山がなければ、花火だって見えたかもしれないとすら思う。実際はもっと海岸の近くでなければ見えるわけがないのだろうけれども。
 見えるはずがないのはわかっていても、いちおう空を見上げる。カシオペア座が大きく浮かんでいた。
2014.05.28  病いの歌
 先日ひっそり離日したボール・マッカートニーが先週腸捻転の手術を受けていたことが発表された。なるべくなら公表したくはないのだろうけど、ツァー中でステージのキャンセルを引き起こしては黙っているわけにもいかないのだろう。
 一年ほど前から僕もちょっと病院通いをしているのだけど、やっぱり表立って通いたくはなかったので、快方に向かうまではここにも何も書かないできた。ずいぶん良くなったから、今更ながら書いておく。
 晴れているのにそれほど気温が上がらない、涼しい晴天。
 午後、昨年度分の歌稿の整理に精を出す。当然ながら病いの歌が多い。歌の出来不出来はともかくとして、やっぱり病気への関心度は高いから、そうなるほかないんだな。早く発表できる形に仕上げたい。
2014.05.27  神話の家系
 午前中いっぱい歌稿に取り組んだ。精神的にきつい。くたくたになる。
 それからは資料の整理などゆったり片付けた。つまり活動しながら休息をとったということ。ふう。
 皇族の女王が出雲大社の神職に降嫁する件で、世は賑わっている。どちらも神話に登場する先祖を持つ古い両家だから、一般人には遠い世界の話だからこそ興味深くもあるのだろう。
 神話の家系だなんて、さぞしがらみだらけで、僕には想像したくもないね。
2014.05.25  みんな初夏気分
 長袖ティーシャツ一枚で、外出。それほどの陽気。
 ほとんど待ち時間無しで電車に乗車できる。そうして外出先でも空き時間に本を読んでいた。
 途中アイスクリームをいただく。みんな初夏気分なのだ。
 就寝時パジャマも初夏用に替えた。おやすみ。
2014.05.24  フキとコオロギ
 借家の庭にフキが生えた。おそらく前の住人が植えたのだろう。
 日なたに出ると、長袖を腕まくりしたくなる暑さ。今夏初めて蚊に刺された。
 葉柄を刈り取る。そのうち食卓に上るだろう。
 少し早い気もするけど、夜なにか虫が鳴いている。キリギリス科かコオロギ科あたりの何かだろうと思うのだけど、よくわからない。それが複数種の声を聞かせてくれる。六月に鳴く種類もあると頭では知っていても、秋でもないのにと思ってしまうのは、今までそれほど自然から遠く過ごしてきた為か、逆にここが自然に近過ぎるのか、あるいはそういう問題ではないのか。少なくとも、もっと虫の声を聞き分けられた方が良いことは確かなようだ。
2014.05.23  「変な人」の公募
 朝方、中止となったコンサートの返金をしてもらいにゆく。無事に何事もなく済んだ。
 帰宅後、"総務省が「変な人」を公募"というニュースを読む。これまで「変な人」と呼ばれてきたことでは人後に落ちない僕だけれども、公募内容は情報通信技術分野の個人研究者に限るそうで、人文分野や芸術分野は入らないらしい。やっぱりそういうことは自慢にならないようだ。べつに期待していたわけではないけれども。
 夜アシダカグモが現われた。玄関脇の壁に張り付いていたから、正面玄関口から入ったのだろう。餌探しならば、どうぞ好きなだけやって、もし見つかるならば、食べ尽くすまで居着いてくれ。
2014.05.22  いつのまにか
 朝食後なんとなく読書に一区切りをつけて、だらだらしていたら、いつのまにか歌稿の整理をしていた。いずれはやらねばならないことだから、その気になったなら、どんどんやればいいのだな。
 それを終えて、すぐ昼食。
 また続きをやる。
 晴天だったのが、仕事を終えてから、しだいに陰り、夕方雷雨となった。
2014.05.20  「ちはやふる」を読んだら
 書類の整理などして過ごす。
 マンガ「ちはやふる」のコミック第二巻を読んだら、全然文学的ではないけど、意外に好かった。数年前に読んだ第一巻の印象が今ひとつだったので長らく無視していたのは、「のだめカンタービレ」を三巻まで読んで古本屋に売ってしまった時と同様のミスだったかもしれない。あの時はあの後あれほどの"のだめブーム"が始まるとは想像もしていなかった。
 でも、どちらも冒頭部は実際たいしたことない。かつての少年ジャンプのように出だしで盛り上がりに欠けたらすぐ連載打ち切りにするようなところだったら、とても続けられそうもない。それがしだいに良くなってゆくんだよ。長い目で見る余裕が欲しいね、何事も。
 晴れていたけど、午後十一時頃雨になった。降りが強い。
2014.05.19  春服をかたづける
 初夏日和。
 トレーナーなどの春服を押入の衣装ケースにかたづける。僕はワイシャツを着ないから、礼服とコートの類い以外は洋服ダンスに吊ったりはしない。もはや秋まで目に触れることもないだろう。
 午後は本を熟読。
 大相撲の元放駒親方の訃報を聞いた。僕が小学生の頃、親方は魁傑という四股名の現役力士で、当時は熱心に応援していたものだったな。ちょっと感傷にひたる。
 今は本場所の開催中。大相撲いまだに結構楽しく視ていますよ。
2014.05.18  ついてない
 午前中さんざん悩みながら一首も詠めなかった。
 それからかつての愛書を再読するも、いまいち心が惹かれない。
 ついてない。
 結局、未読の新刊を読んで過ごした。でも、あまり興味深い内容ではなく、がっかり。
 夜、ポール・マッカートニーの19日延期コンサートも中止と知り、さらに脱力。
2014.05.17  聴けないで終わる
 晴天。
 昼食をマクドナルドですませ、そのまま駅へ行き、渋谷へ。そこから国立競技場まで歩く。
 ポール・マッカートニーのコンサート。
 開場時間を過ぎてもなかなか門が開かず、やっと入場できても席にはつけない。そして開演ほぼ一時間前に面識のない観客同士の噂の形で「コンサート延期」がささやかれ始める。信じられずに三十分ほど待って後(のち)、案内係に尋ねたら「中止が決定した」と。
 理由は不明。まあ、後でポール本人の体調と発表されることは予想できた。
 会場を出ると、そこで「中止」をスピーカーで告げている人がいた。さらに「コンサートは19日に延期」と。本当かな。病気ならそんなにすぐ治るものだろうか。
 家に戻ったのは夕食時。
 疲れたので早めに寝た。
2014.05.16  ドクダミが生えてきた
 この気候ならと、長袖Tシャツ一枚でいる。陽射しはまさに夏だ。
 あちらこちらに寄りながら散歩。明日の外出に合わせ靴下を購入したりする。近ごろ穴の空いた物を次々捨てていたからな。
 午後は自室で読書。
 庭にはドクダミがあちこちで生えてきた。そのうち葉を摘んで、お風呂の湯槽にでも入れて浸かろうか。
2014.05.14  ドラえもんを読んでみた
 暖かな晴天。町をゆったりと行く。
 昼食前ふと小学校を卒業してから縁の無かった「ドラえもん」を読んでみた。リアルタイムで読んでいた短編ではなく、初めて長編「のび太の恐竜」を。すると懐かしさよりも「のび太ってここまでイジメられっ子だったのか」と子供時代との印象の違いが意外。ストーリーを覚えてはいても読んだ印象は年齢で異なるものだ。そんな当たり前のことが新鮮だった。それと、しずかちゃんの裸ならびにパンチラシーンの多さも、この長編ならではなのか、どうだったか。
 午後は詠歌。
 夕辺に曇天。
2014.05.12  福島の被爆
 「福島では除染が進まず被爆者が続出している」というマンガでの指摘が騒ぎになっている。でも、事故後に福島県内で原因不明の鼻血が出す人がいることは、とうにあちこちで報告がなされていたし、それは多くの人が多かれ少なかれ薄々感じていたこと、それをはっきり証言する人が現われたというだけの話で、「ありえない」と本気でビックリしている人は少ないのじゃないか。それは福島産の農産物が現在どういう価格で取引されているか店頭で確認すれば、福島の復興を誰もが根っから安心しきってみていたわけではないのは明らかで、いずれは誰かが言わなければいけないのにあえて口をつぐんでいたことをはっきり口に出した人がようやく現われたということだろう。
 まして作者の実体験を反映した表現行為だとするならば、それを発表することを批判することは間違っている。
 もちろんその取材結果がどれほど現状を正確に表現していたかどうかは知らないけどね。(あまり事実から遠くはない気もするが)。
 本日も快晴。
 午前、米袋などを買って来た。福島産のお米は店頭に一袋もなく、お隣りの茨城産でさえもが安価で売られている。原発事故前にはありえない光景。因果だね。
2014.05.11  アシタバ
 晴天の休日。
 DVDで古い映画など観て過ごす。
 夕暮時、何か鉢に植えようと、
 「この辺は蝶が多いから葉はダメ」
という花屋からの忠告を入れて、アシタバを植える。「明日には芽が出る」という名称の由来に惹かれたわけではないけれど。根付けば夏にはおひたしかスープの具にでもなりそう。
2014.05.10  今の歌なのだ
 初夏の日差し。町には半袖Tシャツの人もいた。
 僕は薄手の長袖で二度も駅前へ出る。一度ではすべての用が片付かなかったから。
 その合間あいまに本を読む。
 聞くところによれば、たびたびここで六十年代ロックについて触れているからか、僕の詠歌もそういうものだと思っている人達がいるらしい。残念ながら、創作には時代性が色濃く反映するもので、好きであろうとなかろうと僕には六十年代ロックのようなものも、七十年代四畳半フォークのようなものも、作ったことがないし、作れもしない。僕が詠むのは結局今の歌なのだ。それしかない。
2014.05.09  風神雷神図屏風とキトラ古墳壁画
 上野まで出て、俵屋宗達と尾形光琳の風神雷神図屏風を見比べたりなどして過ごす。両方が同じ日に同じ博物館内に展示されることなど滅多にないからね。
 その前にキトラ古墳壁画も見て来た。長蛇の列に並ばなければならないので、こちらを先にするしかないから。間近にすると、改めてこういう元の場所から引き剥がした形でしか保存できなかったのかと、つくづく思う。
 好い天気だったのに、午後、雷雨となった。
 夜は文筆。
2014.05.08  驚異の3Dプリンター
 晴天下、炬燵布団を干して、夕方、押し入れに仕舞う。もう立夏も過ぎたことだし、炬燵が要るほど涼しい日はあるまいと期待して。当然だね。
 本を読んで、いろいろ考えた。下手な考え休むに似たり、と。ははは。
 3Dプリンターつまり形ある物の複製を作る立体コピー機を使って拳銃を作った人が逮捕されたそうだ。もっと夢のある物を作れないかね。コピーに夢を語るのが、まちがっているか。やっぱりオリジナルでなければね。
2014.05.07  庭に甲虫
 快晴。
 午前中「本を借りに行きます」と連絡して出かけたのに肝腎のその本を受け取らないで帰ってきた。ドジ。
 午後、きのう途中まで読んでいた本を読了する。ゴールデンウィーク中は読書もあまり進まなかった。
 さて、これからだ。
 夕方また庭に出て草むしりの続きをした。
 根っこをスコップで掘り出していたら甲虫類の幼虫が現われる。カブトムシかクワガタムシかもしれない。先年、自宅でカブトムシを飼っていたのを想い出し、思わず微笑む。改めて埋め直してやった。夏には成虫に育っているかもしれないね。それを目にする機会はまずないだろうけれども。
2014.05.06  GWの骨休み
 熟睡中、地震。揺り起こされる程度ではあっても、完全に目が覚めるほどでもない。早々にまた寝た。
 起床後も、ここ数日の疲労を癒すため、骨休み。こうでもしなければ疲れが残るなんて、嫌だ、イヤだ。
 それでも朝食後こいのぼりを片付けるなどしてからは、ゆったり過ごした。
2014.05.05  洋館通り
 微雨が思い出したようにたまに落ちてくる横浜を散策。
 「あなたは神を信じますか」と尋ねたそうな西洋人が教会の前でたむろしているのも御土地柄だろう。いきなり肩を叩かれて、
 「良いコーディネイトですね」
と、声を掛けられた。御世辞だろうと、皮肉だろうと、いずれにせよあまり嬉しくない。
 洋館通りを抜けて、港の見える丘公園へ。文学館の太宰治展に入る。生原稿やら、直筆葉書やら、絵画やら、衣服まで、多くの遺品がきちんと保存されているところがすばらしい。
 大切な作品はきちんと残して欲しいね。
2014.05.04  五つ葉のクローバー
 近所の山を散策。
 「五つ葉だ」
と騒いでいる人達とすれ違う。拝見すると、たしかに五つ葉のクローバー。六つ葉も、七つ葉も稀にはあるらしい。四つ葉が幸運を招くと言われているのだから、五つ葉ならばさぞかし僥倖と言うことになるか。
 相模の海が沖まで青い。
 ベンチでおにぎりを頬張り、山を下りた。
2014.05.02  庭のこいのぼり
 庭のこいのぼりが勢いよく泳いでいるのを眺めている。
 読書に疲れた目を休めるために。
 快晴のゴールデンウィーク。
 ほかにすることもない。
 ウクライナはいよいよ内戦状態に突入しつつあるらしい。ため息。
2014.05.01  歌ノ橋で待ち合わせ
 雨が止んだので、正午前、庭にこいのぼりを立てる。
 午後、人との待ち合わせ場所を幾つか提案して、最終的に相手の要望でなんと歌ノ橋のほとりに決定。源実朝とのゆかりを記したその石碑の前で待つ、悪い気分じゃない、と、思っていたら、先に相手の方が来ていた。待たせて悪い。
 髪を切って帰る。
2014.04.30  歩きながら読む
 つめたい雨。歩道が狭くて、何度も傘をすぼめながら歩く。しっとりと濡れた。
 風も強く、しだいに冷え込む。街中では防寒着に身をつつむ人達であふれた。まもなく立夏、明日からクールビズだというのに、ありえない。
 帰宅後は読書。近頃なんだか座りながらよりも、寝ころびながらよりも、ゆっくり歩きながら読んだ方が頭に文字が入る。奇妙な体調だな。
 一方、書くほうは遅々として進まぬ。やりきれない。
 また明日だ。
2014.04.29  "Cry"で良い
 駅までの道は晴れていたのに、電車から降りたら早くも陰り、いつしか雨が降っていた。帰りに路面がすっかり濡れていて、それと知った。
 空き時間にひたすら詩集を読む。待ち時間がとにかく長い。読書に費やした一日だったかな。
 以前、僕は自分の歌集のタイトルを"Cry"か"Don't Cry, Sing, Please"のどちらにしようか悩みに悩み、歌集は前者、後者は歌物語の章題と決めたものの、あれで良かったのかどうかこれまでずっと悩んできたけど、不意に気付いた。「叫べ、歌え」。これで良いのだと。
 わかってしまえば当たり前のことだ。でも、そういうことの繰り返しなんだね、人生なんて。
2014.04.28  みすぼらしい短歌
 朝、頼まれて棚を幾つか動かしたり、近所へ買い物に出たり。
 午後、写真の現像を頼みに店へ行き、仕上がるまでの待ち時間に雑誌を読む。英米ポップカルチャーの歌手を扱った特集記事の後で、現代短歌についての文章を読んだら、そのみすぼらしさに愕然となった。あちらが華やか過ぎると言ってしまえばそれまでだけど、こうも差があるのはやっぱり作品そのものに歴然とした差があるのだろう。それが詩歌という形態そのものに問題があるとは僕には思えない。やっぱり創作している人の方に問題があるのだろう。
 あくまで自戒のために書いておく。負けるなよ。
2014.04.27  強い潮風
 本日は子どもが自転車にほぼ完璧に乗れた記念日である。公園で練習した甲斐があった。
 浜辺の日曜日を歩く。
 潮風がとても強い。晴れて気温も高いのに体感温度が下がってゆく。上着を持ってくればよかったかもしれない。もっとも正午前からはだいたい屋内にいたので、ダメージはなかった。帰りのバス停に立っている時が一番こたえたな。
 先週見かけた軒下のツバメに御挨拶。どうやらあそこに住みそうだ。
 そして空き時間を見つけては書き物に興じた。
2014.04.26  草取りの記憶
 午後あれこれと書いて過ごす。
 夕方、庭の草取りを二時間強。
 子どもの頃、一度だけ草取りをして、父にこっぴどく怒られたことがある。根っこを充分に抜いていなかったことと、優先順位の低い草を先に取ったことが表向きの理由。でも最大の理由は、何かが原因で父の虫の居所が悪かったのだろう。そういう人だった。
 そういうわけで、草を抜きながら、この草をこういうふうな抜き方で良いのだろうかと、ずっと悩みながら抜いていた。たぶんあれで良かったのだろう。
2014.04.25  何かが違う音
 快晴。
 カメラで撮った写真をパソコンに取り込んだり等、些細だけれど手を抜けない作業をする。
 作業をしながらビートルズのCDを聴いていると、"I've just seen a face"という曲の音が記憶とまったく違っていて、驚いた。違っていたのはこれだけで、ほかの曲は何も違っていなかったのだから、よけいに混乱する。とにかく違って聴こえたのだ。殊にヴォーカルの声質が。
 おそらく何かが変化していて、僕がそれに馴染みきれていないのだろう。あるいは僕自身の内部の問題だろうか。
 ひょっとしたら覚えていたのはLPレコードの音で最新のCDの音に違和を感じただけかも。ほかの曲はDVD等でも聴きこんでいるから。
 むろんそれも仮説のひとつにすぎない。そんなに違うものかね。
2014.04.23  二円切手
 春まっさかり。
 空にはこいのぼりが、足もとにはアヅマギクやシャガの花が咲いている。
 五十円はがきを手に郵便局まで行き、消費税値上げ分の二円切手を貼ってもらう。近くにポストがあるのにわざわざ郵便局まで足を伸ばして、なんだかばかばかしい。シロウサギの切手だった。これはきれいだ。
 昼食のパンを買って戻る。
 午後は読書と書き物。
2014.04.22  ウグイスが鳴いている
 ウグイスが鳴いている。
 朝方は快晴だったから、それに沿ってあれこれ予定を立てていたら、午後二時雨で全部流れた。つまらない。
 そしてまた冷える。
 夕方、いったん降りが止んで慰めるようにウグイスがまた鳴いた。でも、しばらくしてまた降った。
 そうして半日書けるだけ書いて、また読書にふけったのだった。
2014.04.21  東京のタイガースファンの会社
 うんざりするほど冷え込んでいる。
 一九七〇年前後を舞台に東京出身で阪神タイガースのファンが登場人物という小説を読み、ふと八十年代に本社が東京で社員全員が阪神タイガースファンという会社が実在していたのを思い出す。まるで大戦下の反ファシスト組織のような一体感ある会社だったそうな。どうしてそうなるのかは知らない。入社後の社員研修でみっちり仕込むのかもしれない。その社員だった人も今は故人となった。
 現在もその会社が実在しているかどうか確かめる必要がないほど今では東京にも阪神タイガースファンは大勢いる。対巨人戦の東京ドームに行けばあふれかえっているよ。
 ああ、今日は試合がない日だったな。残念。
2014.04.20  花冷えは終わっているのに
 ときおり薄日が差す曇り空。
 もうとっくにソメイヨシノが散ったのに寒い。花冷えの季節は終わっているのに、やれやれ。
 ティータイムにサンタクロースの絵でパッケージされたチョコレートを食べた。今日の気候にふさわしいよ。
 あれこれ書いて、読んでの一日。充実。
2014.04.19  ビートルズ世代ではないけれども
 午前十一時過ぎようやく相方さんが用意してくれた朝食を終えて、外出。懸命な急ぎ足で、約束の時間に間におえた。ふう。
 用事がすんだら、ゆったり散歩。
 店でポール・マッカートニーのコンサートチケットを手に入れる。僕はいわゆるビートルズ世代ではないし、彼のファンとは呼べない。ただ彼等の音楽は好きだし、一度も実物のポールの演奏に触れないまま終わるのが惜しくなってきた。つまり同じ時代を生きた証しを手にしたくなったのだ。当日そうして良いパフォーマンスにふれられればればありがたい。
 午後二時ごろ、鎌倉の大仏さんの傍らで野点をいただく。抹茶で、ほっとひと息。良い気候だ。
2014.04.18  ウクライナの水餃子
 朝からヴァレーニキという料理を食す。ウクライナの水餃子だ。きのこ入りとじゃがいも入りとりんご入りの三種にタマネギの炒め物が乗っている。
 同じ水餃子でも挽き肉を入れて帽子型に焼くロシアのペリメーニとはずいぶん違う。もちろん中国の物とも。
 それを口にしながらウクライナの現状に思いをはせた。クリミアをロシアに吸収され、今やウクライナは内乱の危機だ。はたして国が持つのだろうか。
 小説家ガブリエル・ガルシア=マルケス氏の訃報をいまだ「マルケス」とだけ表記したメディアがあった。「ガルシア」はミドルネームではなく、「ガルシア=マルケス」が正しい名字ですよ。
 そういえば小説「百年の孤独」を僕はまだ旧訳でしか読んでいないのだった。そろそろ新訳で再読してみても良いかな。
2014.04.17  タンポポの規則性
 春らしい陽気。
 路上から玄関まで黄色いタンポポの花にぐるりと取り囲まれている。それなのにうちの庭には一輪もタンポポは咲いていない。雑草ばかり生えている。僕には理解できない微妙な法則性がそこにはあるんだろう。
 公園のチューリップといい原色が濃い町並みを通る。
 午後はあれこれ書いて過ごした。就寝前ずいぶん無理して頭をしぼって書いたら、まさに無理して書いた出来となった。ああ、あ。
2014.04.16  もやしはどこだ
 昼食をラーメンにすると決定したので、もやし税込み十九円のみを買うためにスーパーに寄る。ところがどの棚かどうしてもわからなくて、店員に尋ね、店の南端から北端までわざわざ案内してもらい、やっぱりもやし一袋だけを買って帰った。
 本をバッグに十冊以上かかえながらだったので、それでも手間だったよ。
 午後その中の数冊を読んで過ごした。
2014.04.15  西へ行け
 午前中はインターネット。
 ティータイムにラジオを聞いていると懐メロの"GO WEST"が掛かる。「西へ行け」といってもその時代時代でメッセージは異なり、出家者が西方浄土を目指したり、合衆国の同性愛者が安住の地を求めたり、共産圏の人々が自由主義に憧れたりと、意味はその都度変わっていった。今「西へ行け」と言われても、さて、湘南の海で泳げとでもいうのだろうか。まだちょっと寒いけど、悪くないな。
 夜はあれこれと書いた。
2014.04.14  すっかり葉桜
 朝、冬着をクリーニングに出す。そのていどにはもう充分に春だ。段葛のソメイヨシノもすっかり葉桜になっていた。
 午後は読書。ひと息入れて、それからあれこれ書く。毎度おなじみの日常。
 ところで小笠原の新島はふたつの噴火口がなお活発に噴煙を上げ、標高七十メートルを越えて、いっそう広大になっているとか。どこまでゆくのかな。
2014.04.13  良く晴れた休日
 午前中は読書。
 午後はプロ野球中継を眺めながら子どもとゲームなどして遊ぶ。
 良く晴れた休日。
 結局、今回の阪神対巨人三連戦は阪神の三連勝で幕を閉じる。気持好い。
 夜はあれこれと書いて過ごした。
2014.04.11  くるみケーキ
 朝から夕方まで所用で方々をまわる。昼食にコロッケを買い食い。スーパーやら、100円ショップにまで行った。
 ようやっと帰宅して、バター味とカラメル風味が濃いくるみケーキで腹ごなし。美味かった。
 今シーズン最初のプロ野球TV観戦、阪神対巨人。阪神の快勝で気分良し。
2014.04.10  おくすり手帳が要る
 朝から所用で方々をまわる。でも、あんまり収穫はなかった。長谷まで桜の散り具合を眺めに行ったようなもの。その代わり花壇のチューリップが花を付けていた。
 おくすり手帳を持たずに薬局に行けば、
 「法改正でおくすり手帳が必ず要るようになりました」
と、別のおくすり手帳をもらう。そんなの初耳だ。この調子で毎回新しい手帳をもらっていても良いのだろうか。
 今年も日本プロ野球は「飛ぶボール」を使用していましたって。ナイターの試合中時間に発表。あほらしい。
2014.04.09  STAP騒動
 半日ずっと家の中一人きりで過ごす。
 読書と執筆で暮れた。
 午後ほとんどの地上波放送はSTAP細胞に関する記者会見を一時間半も生中継していたとか。僕は夜そのダイジェストをニュースで見る。会見そのものがワイドショーのよう。予想通り真相は五里霧中のまま。こんなことしていないで、まともな研究ができる環境を整えてあげるのが一番であろうに。なんだか変だ。
2014.04.08  バッタと目が合う
 朝から読書。
 午後二時過ぎ、ひと息入れようと庭に出たら、バッタと目が合う。四月上旬こんな季節にもういるんだ。
 そのまま夕方まで除草。まだ根が浅いせいか、土が軟らかいためか、スポッスポッとおもしろいように抜ける。この調子で何事も進めば良いのにと思うほど。もっとも楽そうなのからやっているからそうなるので、最後までそんなペースでゆくわけがないのだけど、難儀そうなところまでゆく前にタイムオーバー。さて後はどうなることやら。
 夜はまた書き物。
2014.04.06  冷たい花散らし
 少し冷え込んだ午前中、近所の桜並木を見て歩く。ときおり散る花びらが美しい。
 帰宅後、遠雷。やがて冷たい通り雨になった。花散らしの雨というものは暖かいもののはずなのに、真冬並みに寒い。奇妙な天気だ。
 午後四時にはまた晴れた。
 その間、数時間かけてあれこれ書く。一首詠むのもなかなかうまくいかなくて難儀した。まあ、書けたから良いか。
2014.04.05  参道の桜
 朝しだいに気温が上がり、外を歩いているとサマーセーターさえも脱ぎたくなった。その割に人も車も少なく、参道の桜はまさに見頃。気分好くカメラのシャッターを押した。
 午後あれこれ書こうとしたのだけど、なかなかまとまらない。頭かかえて時間だけが過ぎる。それでもとりあえず片は付けた。
 深夜、雨。
2014.04.04  三色丼
 正午、三色丼を腹に入れる。そぼろ、いんげん、卵で三色。子どもの頃のお弁当昼食みたいだ。安価だけど美味しいから好いのだけど。
 窓を見上げれば、映画「イル・ポスティーノ」の海と空を思い出す。風が強い。
 そうして読書を続けた。
2014.04.02  龍谷大平安を応援する
 市役所に電話をしたら、言いたいことは半分も言えず、あべこべにうだうだと愚痴をこぼされた。
 それから参道の桜を見上げながら歩く。写真を撮るには自家用車があちこちに停車していて惜しい。
 午後は甲子園大会決勝戦・龍谷大平安対履正社をテレビ観戦。平安高校には縁もゆかりもないけど、龍谷大学は卒業校だから、とりあえず応援しておく。試合が進むにつれて、ランナーが出るたびにバントを採用する履正社よりも、強打で押そうとする龍谷大平安を贔屓したくなってきて、結局勝利し、優勝の胴上げをするまで視ていた。良し。
2014.04.01  満開
 さあ新年度。
 好天の下、午前中花見をする。浄妙寺や源平池は満開。人通りも花盛りだった。
 午後は読書。
2014.03.31  値上げ前の駆け込み客にまぎれて
 暖かいのでサマーセーターにフリースのジャケットを羽織って外に出た。周囲ではまだマフラー、ダウンジャケット、コート姿の人々もいれば、セーターすらも来ていない等、様々な人々があふれている。
 町中でソメイヨシノが開き始めていた。
 あすの消費税値上げを意識したわけではないのだが、僕もいくつかの買い物をする。レジに長蛇の列ができていたのが、うんざり。
 午後は読書。
2014.03.30  嵐の間
 嵐が来る。風に外の何かが吹き飛ばされる音が聞こえる。雨が木々の葉をたたきつける音も聞こえる。
 そんな中、体調がすぐれないので横になっている。何度か眠りに落ちた。
 夕方、雨は止んだ。体調も復した。
 やれやれ。
2014.03.29  「リベルタンゴ」の雰囲気
 暖かな気候。
 正午過ぎまでは一人あれこれと書いて、充実した半日。
 午後しかしながら一人でなくなった家の中の空気は冷えびえとしたもの。ヨーヨー・マが演奏するピアソラの「リベルタンゴ」が頭の中で鳴っている。この曲は男が一人を心地良く噛みしめるのに適したものだと思っていたけど、不愉快な家庭の雰囲気をじっとこらえるのにも似合っているようだ。
 そのままタンゴのリズムに合わせ、寝るまで心は踊っていた。
2014.03.28  気軽で余裕のある社会に
 車輛にベビーカー乗車を勧めるマークを付けることになったとか。良いことだけど、そもそもそんなマークがなくてもベビーカーくらい電車やバスに気軽に乗れる余裕のある社会でありたいものだ。
 晴れたので、きのうの雨で濡れた上着やバッグを乾かそうと、物干しに並べる。
 それから一日ものを書いたり、本を読んだりして過ごした。
2014.03.26  この出版不況下に
 午前中は歯医者に往く。
 午後は読書。
 時おり小雨混じりの曇天。深夜に降りが激しくなった。でも桜の時季にふさわしい暖かな雨だ。ちっとも寒くない。
 紙上で吉本隆明全集三十八巻の広告文を目にする。壮挙だ。この出版不況下に。ほかにも、たとえば斎藤史全歌集のようなすぐにでも手にしたい本は、いったいいつ発行されるのだろうか。待ち遠しい。
 いや、それよりも三宅惺最新刊が先だったね。急ごう。
2014.03.25  吉野梅郷とクリミア
 青梅の吉野梅郷がウィルス感染のためすべて伐採するのだとか。かつて多摩地方に住んでいた頃は、毎年のように吉野梅郷か高尾梅郷のどちらかに足を運んでいたのに。残念だ。
 今日も朝食後すぐ自転車で所々を巡る。
 午後はあれこれと書いて過ごした。
 クリミアのウクライナ軍はクリミアから全面撤退を決め、その軍事拠点はロシア軍が占領するのだとか。これで混乱が収束に向かってくれるのだろうか。だとしたら本格的軍事衝突という最悪の事態は避けられたことになるのだけれど。
2014.03.24  パーキングと葉山コロッケ
 朝食後すぐ自転車で所々を巡る。
 初めて時間制駐輪場に停めた。周囲に誰もいないので、停める時に前輪を所定の場所に置くのはともかく、外す時はちょっと途惑う。その操作の機械がどこにあるのかをまず見つけなければならなかったから。
 昼食には葉山コロッケバーガーが家で待っていた。
 パーキングといい、葉山コロッケといい、これまでどうしてだか一度も縁がなかったのだけど、できて良かった。美味い。
2014.03.23  三人の関脇
 朝ぼんやり読書などして過ごす。
 午後散歩。白木蓮など様々な花が旬を迎えていた。
 大相撲は今場所もじっくりテレビで観戦し、今日が千秋楽。終盤、鶴竜が両横綱に連勝したのも驚きだったけど、負け越し寸前だった琴奨菊がまさかの両横綱撃破をやらかして勝ち越し、鶴竜が優勝し三人目の横綱確定となるとは。それよりも今場所は三人の関脇のうち元大関琴欧州が引退し、他の二人が勝ち越したこと、特に大勝ちした豪栄道が印象に残った。今後が楽しみ。
2014.03.22  百人一首でしりとり
 桜が咲いている。
 真冬の格好で外を歩けば、さすがに途中で上着を脱がねばならなくなった。
 子どもが小倉百人一首の作者名でしりとりをしようと言う。子どもというものはまったくユニークな思い付きをするものだ。けれど、いざやってみたら「河原左大臣」とか「在原業平朝臣」とか「ん」で終わる詠み人の多いこと。たちまち続行不可となり、普通のしりとりに替えた。
2014.03.21  惹かれる景色
 春の陽気に誘われて、電車に揺られる。車窓からさえも富士山がくっきりと見えた。ましてや海辺に下りたら、相模湾の向こうにすっかり絵になっている。
 それが午後ひと雨来て、周囲の景色が妙に惹かれるものに変わってから、その風景が二十代の頃に詠んだ歌に似ているのだと気付いたのは、その日の深夜を過ぎてのこと。
 惹かれる景色なんて何年経っても変わらない。たぶん作品のテーマも、また。
2014.03.20  クリニックにて
 午前中はまだ体がだるいので布団の中で眠る。
 午後クリニックへ行って、病状を説明したら、
 「ああ今流行っているの。つい二日前僕も治ったばかりだから」
と、それからは雑談の花が咲き、
 「軽いお腹風邪ね。ノロウイルスみたいにひどくない」
で片が付いた。安堵。
 とりあえず帰宅後も安静に過ごした。
2014.03.19  いくらでも眠れる
 ほんとうにいくらでも眠れる。
 発熱したわけでもないのに、体は安息を強く求めていて、普段はそんなことってないのに、今は布団に寝ころべばそのまますっと眠りに落ちるのだ。やっぱり病気なのだろう。
 そうして一日を寝て過ごした。
2014.03.18  病臥
 真夜中に毛布をきちんと被って寝なかったのだろう。
 体調を崩してしまった。
 体が重くて、だるい。食欲が無い。
 何もしないで、一日中寝ていた。
2014.03.17  マンガを立ち読み
 暖かそうなのでタートルネックをやめたら、首のところがすーすーして、どうにも涼し過ぎた。それでも寒くはない。
 「座を外して」
と頼まれて、午前散歩に出る。時間が余ったので、マンガを立ち読みまでして時間を潰した。後で、貰い受けて座って読めば良かったと気付いたのだけど、その時は立って読みたかったのだ。なんとなく。
 午後は部屋であれこれと書いて過ごした。
2014.03.15  昼食は五時前
 上着を脱ぎたくなるほど暖かな気候。海辺に近付くと雲が増えたけど、散歩から戻っても僕の住まいの周辺はずっと快晴だった。
 午後は読書。
 それほど熱中していたわけではないのだけれど、昼食は五時前になってしまった。
 けれど夕食もきちんと取った。
2014.03.14  ゴーストライターとかコピペとか
 曇りがちな空から時おり日が射し込む。明け方が一番暖かくて、昼になるにつれてしだいに冷える。それが正午を過ぎて、また気温が上がってきた。奇妙な天候。
 部屋に閉じ籠もって、あれこれと書いた。
 ところで「アンネの日記」を破損させていた件で逮捕された男は、日記の作者別人説を唱えたとか。懐かしい。しかしこれはとっくにドイツ警察が「日記はアンネの自筆」と検証結果を公表している。
 それよりもゴーストライターとかパクリとかを批判するならば、もっとヤバい本が世の中には幾らもありそうなものだ。
 コピペだらけの博士論文を罪の意識無く提出してしまう人が現われるのも、その辺の罪悪感が麻痺してしまっている世の風潮が反映しているのだと思うよ。
2014.03.13  電気代が安く
 雨がときおり激しく降る。夕方は特にひどかった。
 一日中部屋に籠り、資料の整理などする。
 アンネ・フランクの本を破損させていた男が逮捕されたそうだ。
 電気代の請求書が届く。先月よりもずいぶん安くなっているのはヒーターを使わなくなってきたからだろう。改めて春を実感した。
2014.03.12  ミステリーじみてきた
 散歩に出れば、早咲きの桜ばかりが目立つ。薬局など、どこもほとんど待たないで買えて、めぐりあわせが良い。
 家ではあれこれ悩んで文章を書く。
 それにしても消えたマレーシア航空機については日が重なるほどミステリーじみてきたな。かつて航空機事故が頻発したバミューダ海域が「魔の三角地帯」などと呼ばれていた件を思い出したりした。人災ならば、不謹慎かな。
2014.03.11  3.11 光陰矢の如し
 午前中あれこれと書いて過ごす。
 外は晴れ。
 今日で東日本大震災からちょうど三年が経った。大戦期に多くの飢えた人々がわずかな荷物と啄木歌集を手に死んでいったように、どんな困難であろうと詩歌はそこに寄り添えると僕は信じる。だから三年前と変わりなく僕は今日も書く。歌う。
 インターネットを通じて知人に一枚の写真を見せられる。十七歳の少女の写真で、驚いたのは僕が彼女を最後に見たのは十年ほども前のことだったから、当時は幼女といってもいい彼女が、いつのまにかあるいは僕の読者の誰かと同い年かもしれない年齢に達していたことに狼狽したのだ。
 まさに光陰矢の如し。時はあまりに早く過ぎ去る。
2014.03.10  代表作なんて
 青空の下、山を越え、線路を渡り、海辺へ。寄り道の買い物でさえも気持好い。
 午後は資料の整理。
 雑誌で歌人達が代表作の自選とコメントを求められている様をみる。あたりさわりのない歌を選んでいる人もいれば、わざと有名な歌を外したとしか思えない人もいて、興味深い。尋ねられた人は全員素直に答えたのだろうか。「愚問はやめろ」とだけしか返さなかった人がいたら、それはそれでおもしろい。
 僕としては、代表作なんて死ぬまでに何十首かの候補を残せれば良いのだから、もう少し選ぶまでに時間が欲しいね。一冊の歌集中の最高作さえ自分では選べないのに。お気に入りでさえ日によって替わる有り様。もっと、もっと優れたものであってほしい。切に。
2014.03.08  二枚同時に
 朝食後ウグイスが鳴いた。春の使者到来。
 案の定、外出したら、羽織っているコートが暑くてかなわない。
 それから本を借り、うちで精読。苦笑したことが一度あった。うっかりページを二枚同時にめくってしまい、詩を二ページ飛ばしてそのまま読んで、なんだかしっくりこなくて、それでもしばらく解釈に悩んだすえ理解したつもりになって、過ちに気付いた時は苦笑するほかない。それからまた続きを読んだ。
2014.03.07  名残り雪
 晴天。天気予報では午後しだいに曇って気温が下がり、場所によっては名残り雪が降るかもしれないと伝えていたのが、実際はしだいに気温が上り、暖かな一日となる。夕方それが急変、みぞれまじりの雪となった。はたして今春最後の降りとなるかどうか。
 十代半ばの頃、イルカという女性歌手が唄う「なごり雪」という曲を愛し過ぎて、自室の壁にイルカのポスターを張り、名残り雪が降るのを毎年待っていたものだけど、真冬の大雪には出会えても、なかなかこれぞ名残り雪という気候には巡り合えない。
 それでも長い人生には稀な僥倖に幾度か出会えた。今春もそこにひとつ加えられるかもしれない。良いことだよね。
2014.03.06  ベストな肖像を望む
 晴天。
 一日中あちらこちらと動き回る。
 途中テレビで寺山修司の特番をしているのを見かけた。相変わらず人気があるらしい。
 ちょっと紹介の仕方に違和感があったけど。紹介するなら良い所を誉める形でやってほしい。笑い話にもならない過去の汚点は、あまり大々的にやると「有名人がやったのだから」と真似する人を誘発しかねないから。
 お間抜けなミスならば履歴のひとつとしてせいぜい笑い飛ばすのもしかたがないのだろうけれども、それでもあまり見ていて良い気はしないよ。
 それともうひとつ、肖像写真が若々しい精悍な頃のではなく、とてもベストとはいえない垂れ目顔のものが頻出していたのも嫌だった。
 そういえば僕も、つい最近スナップ写真に垂れ目風のものが時おり混じるようになって、困惑している。変なところは似ないで欲しいよ。
2014.03.05  話題の大気汚染か
 午前中なら小雨という天気予報を心頼りに外出する。
 それなのに通りすがりの人達はマスク姿の方が口元をさらしている姿よりも多い。今話題の大気汚染粒子PM2.5か、風邪予防の為か、花粉症を恐れてか、この冷え込んだ春寒の気候では判然としない。目にするのが顔を隠した人ばかりと言うのは、奇妙な気分だ。
 結局、傘を差しているのにずいぶん濡れた。鞄もコートのフードまでびしょびしょだ。今朝なにも出かけなくとも良かったかな。
 午後は荒天。
 雨戸を締めきり、書いて過ごす。
 夜には止んだ。
2014.03.04  自分の物は自分の物と
 いくぶん暖かくなった。きのう上着を置き忘れてきた子どもが、上着なしで走って出かけてゆく。
 本棚から適当に見つくろった数冊を再読。
 小説家はうらやましい。インテリ臭のある人物を周辺に置き、庶民臭ただよう人物を主人公に据えた作品を書いたりできる。自分にまつわる臭みをそんなふうに分割できたら、さぞかし便利だろう。
 僕にはできない。どんな体臭も自分の物は自分の物と引き受けるほかない。時にはその悪臭に顔をしかめるほかはなくてもさ。
2014.03.03  狂気がどうした
 朝、手袋をして方々をまわる。
 掌が寒気でしびれるほど寒い。それでも空気が真冬とは違う。ともあれ、寒いものは寒い。
 午後、読書。
 さすが名作と評価されている古典的小説だけのことはあったけど、ラストで主人公に精神病の診断が下りて終わりというところが、やはり古びて見えた。これほど精神科や心療科の患者が増えた現代では、これでおしまいと言われてもなんだか拍子抜け。癌と診断されたわけでもあるまいに。それに文筆や芸術の世界には「狂気の天才」と呼ばれた人もいたじゃないか。主人公の通院生活が始まったところで、話の何が終わったわけでもなかろう。結婚で終わるラヴストーリーのようにはいかない。
 時代は変わる。これも世の必然か。
2014.03.02  ウクライナが緊張しているらしい
 雨。
 雨戸を閉め切り、電燈を点すこともなく、鬱々と部屋に籠る。
 そういう気分にも午後には飽きが来て、雨音を聞きながら、読書。いや、気分に大差はない。行動にわずかな違いが生じただけだ。
 それにしてもロシア軍とウクライナ軍が衝突の危機だなんて、亡きソルジェニーツィンが聞いたら何と言っただろうか。べつにそれで鬱になったわけではないけれど、仮にソルジェニーツィンが何を言うとしても、僕は戦闘を望まない。避けて欲しい。
2014.03.01  春寒
 家の中に居たのでは雨が降っているのかいないのかはっきりしない空模様。そして春寒。
 正午前の散歩中は、またコート姿に戻り、傘をぶら下げて歩いた。
 帰宅して詠歌。
 結局どうやら雨は降らないで一日は終わったらしい。良いじゃないか、これで。
2014.02.28  満開の白梅
 春の陽気。今年初めて屋内でセーターを、屋外でコートを着ないで過ごす。
 駅前まで歩けば、途中、道に面した家宅の庭から白梅が花を差し出している。
 散髪屋に寄れば「一時間待ち」と言われていたのが、順番を予約し席を外した人達が戻って来ないので、先に回され、案外早くに済んだ。
 帰宅後シャワーを浴びて、すっきりした。
2014.02.27  「アンネの日記」破損の件
 今朝の雨が庭の雪にようやっと引導を渡した。雑草が生い茂った地面を見つめる。駐車場に積み上がった雪も消えるのは時間の問題だろう。
 そして僕は、読んで、書いて、する。
 首都圏の図書館と書店でアンネ・フランク関連書数百冊が破損されていた件は、かつて彼女の残した日記を興味深く読んだ者の一人として、また、書物を愛する者の一人として、実に腹立たしい。犯人にどのような意図があるにせよ、こうした行為には共感できない。数十ページを破り取った本をこれ見よがしに元の棚に配架しておく神経に書物を尊重するものがこれっぽっちも感じられないからだ。まことに腹立たしい。
2014.02.26  雪の残り具合
 市役所などあちらこちらをめぐる。
 町を往けば、目に映る雪の残り具合。きのうからの暖かさのせいか、どこもあらかた溶けている。段葛の玉縄桜も咲いていた。
 思い返せば、「寒い」とは口にしながら、もう何日もヒーターの電源を入れないで過ごしている。春は着実に近づいているのだ。
 午後水道屋が来て、洗濯機の排水口を修理していった。
 それからはまた読んで、書いている一日。
2014.02.24  寿司は美味い。ただし…
 明け方は比較的あたたかかったのに、それから気温が上がらない。
 そのまま寒さをこらえて市役所などをめぐる。
 午後は読んで、書いた。
 晩御飯は寿司だった。
 寿司は美味い。ただアレルギー体質の僕には食べられない物が寿司のネタには多い上、これが手巻き寿司などになると、自分で海苔を巻いて口に運ぶのがなんとも手間で、これなら箸でネタをつまんだ方がずっと楽しいと思ってしまう。だから寿司屋に往くことは、きわめて稀だ。これからもそういう人生でありたい。
2014.02.23  どんなに食べても食べ飽きない
 今月はずっと冷え込んだ日々が続いている。先々週の雪がまだ溶けきらない庭をときおり眺めつつ、半日、本を読んだ。
 本当は読んでいるよりも書いている方が楽しいのだけれど、書けるほどの精神力は読書ほど長続きしないから、疲れて休み休みしながら書いている。だから休日は読書で体を休めた方が良いのだ。きっと。
 夕食時に相方さんが、出会った頃の僕は、
 「どんなに食べても食べ飽きない風だった。あのままでずっといるのだと思っていた」
と言った。あの頃だって食事よりも執筆を優先している点では変化はない。生活を共にしなければ、書いている僕を知らないから食べている僕の印象が強くなるのは、当然だろう。それよりも今も体形が崩れないで中年太りと無縁なところをもっと評価してもらいたいものだ。
2014.02.22  (肌が)緑色だ
 一区切りつくまで歌を整理していたら、昼食はまた午後三時になった。
 ちなみに夕食は九時半だった。
 アニメ版「荒川 アンダー ザ ブリッジ 第一回」を初めて観る。マンガを読んでいる時は素通りした「(肌が)緑色だ」というセリフで、ジュネの戯曲「黒んぼたち」のセリフそのままだなと思い出したのは、目で読んだのではなく耳で聞いたせいだろうか。関係ないか。
2014.02.21  転びもしないで
 朝から歌稿に向かっていたら、午後さすがに疲れて、一休み。
 五輪のニュースは最高六位の女子フィギュアの結果がスキーの銅メダリストを圧倒している様子。フィギュア好きな僕が見ても、なんだかかわいそうだ。
 それにしても、そのフィギュアで多々実績のある浅田さんを「必ず転ぶ」と批判した東京五輪組織委員会会長は、こんなにあちらこちらで失言しまくって、どうしていまだに「転び」もしないで要職に就いておられるのだろうか。転ばないコツなら伝授して欲しい人が大勢いそうだ。
2014.02.20  女子フィギュアを視た
 毎回生中継で視ている五輪の女子フィギュア初日ではあるけれど、眠くて今回はパス。録画をインターネットで視た。上位選手はやっぱり見事だ。
 人に会えば雪の話になる。それにしても完全に消えるまで後何日かかるのだろう。
 家に戻り、また自作の短歌の整理に務めた。
 夜中にフィギュア二日目をテレビ生中継で視る。浅田さんの出来が良くて、ホッとした。
2014.02.19  雪に囲まれた家
 少しずつ庭を覆っていた雪が減っている。町の中心部では、とっくに消えてしまっているのに、それほどここは寒いのだろう。
 市役所に確定申告の件で相談に行く。部屋が暖かいので、待っている間うとうとと眠ってしまった。
 話は簡単に片が付く。
 凍結した雪に囲まれた家に戻り、また自作の短歌の整理に務めた。
2014.02.17  陸の孤島
 車道と歩道を分けるガードレールを覆い隠すように雪が積み上がっている。自転車はとても走りにくそう。
 郵便物は降雪後の四日間一通も届いていない。
 陸の孤島に居るようだ。
 それでも深夜、歌を書いた。
2014.02.16  危険な観戦
 暖かくて、屋根の雪が水となって落ち続けている。運休していたバスも走り始めた。それでも庭の雪は溶けないのだ。
 夕暮まだ雪が溶けきっていない道を買い物に出たら、あちこちの棚が空。売りきれたのではなく、商品が雪で届いていないのだ。数件の店を回って、とりあえず所望の品はすべて揃えた。
 それでもひどい土地はもっとひどいのだろう。
 インターネット上のコラムに「プロ野球観戦では一試合あたり一人か二人の怪我人がでる」とあり、多少の怪我人はいるのだろうと思っていた僕も、こんなに多いとは驚いた。まだ何の被害にあった経験もない僕などは、これまでかなり運が好い方だったのだ。
 しかしもともと野球選手とはスタンドにボールをぶちこんでやろうと思って打席に立つ者。観る者が気を付けているほかはあるまいよ。
 ともあれ僕も観戦する時は気を付けよう。
2014.02.14  また雪景色
 先週に引き続き、積もるほどの雪。
 町を歩いても、ほとんどすれ違う人もいない。自家用車すら稀だ。
 夕方にはまったくの雪景色となった。
 そうしたなか頭をかかえて散文を書いた。
 明朝にはずいぶん積もっているだろう。
2014.02.13  気付いたら二時
 溶けないで残った雪が凍結してきた。寒い。
 朝から歌稿に根を詰めて取り組む。気付いたら午後二時を過ぎていた。
 三時前に昼食としてお雑煮をかっこむ。
 いつしか庭の雪はずいぶん少なくなっていた。こんなに寒いのに。不思議。
2014.02.12  ゴーストライターという職
 くもり。
 何度か歌稿に向かう。それが日常。
 クラシック音楽界が揺れている。「ゴーストライターに職を得たなら、その職歴をまっとうすべき」という匿名の意見を読み、そんな「職業」が存在するのかと驚いた。それが闇の存在ならば、それをきちんと世間の明るみに出したゴーストライター氏の行為は讃えられるべきだ。これまで讃えられないことをやっていた事実は、批判されてもしようがないけれど。
 それにしても、いったい何人が大筋を承知、もしくは見抜いた上で関わっていたプロジェクトなのやら。おそらく闇は深い。
2014.02.11  こっくり、こっくり
 ときおり日光が射し込んでいるのに、南側の庭さえ三日前積もった雪はいっこうに溶けない。
 ここ数日、歌の整理に精を出している。きのうとりあえず一区切りついた。でもまだまだ終わったわけではない。それからだらだらと散文を書いていた。
 それが今日は仕事をしようと思うのに、昼間からどうにも眠くて、短歌を数首かぞえるだけで、こっくり、こっくり。深夜が寒過ぎて熟睡しきれてないのだろうか。自分にも判然としない。
 そんな建国記念の日。何も建国とは関係ないな。
2014.02.09  バスが全面運休
 晴天の下、雪に埋もれた町を歩く。
 住民はそれぞれの用具で雪掻きに精を出している。
 一方、路面の凍結を恐れたのだろうけど、山間部行きのバスが全面運休とはなさけない。このていどの雪でと北国の人達はきっと笑うだろう。
 帰宅後、僕も自宅前の雪掻きをした。南側の庭さえまだ真っ白い。とうぶん雪は溶けそうもないよ。
2014.02.08  入場は五十音順に
 目覚めたら、そこは雪国だった。ますます雪は降り積もってゆく。
 とても外出はできそうもないので、オリンピック開会式の録画放送でも視る。開催国ロシアが最後に入場してきたのは当然として、その直前が日本。ロシアのキリル文字の順番に従えばそうなるらしい。
 来たるべき東京五輪では、イロハ順とか、アイウエオの五十音順とかにしてはどうか。
 やがて風が強まり、吹雪になった。玄関先も、庭先も軒なんかものともせず、たちまち二十センチほども積雪。雨戸の裏側面まで雪が吹き込んでいる。これでは雨戸の役割を果たしているとはいえないな。
 夜には数分の停電が三度もあった。子どもが学校からもらってきたミニライトで部屋を照らす。大震災の時はロウソクだった。停電の過ごし方も微妙に変わってゆくらしい。
2014.02.07  生活の根幹
 晴天。
 五輪のことなんかすっかり忘れて、ドタバタと雑用を始末していた。
 どんなに雑用にかまけていても、生活の根幹に文筆があると思えることが、そうでない暮らしよりも今がどれほどマシかと思えることが唯一の励み。だから、また書いて、読んで、書く。
 午後、歌の整理。ずいぶん根を詰めてやれて、はかどった。いつもこうだと良いな。
2014.02.06  五輪直前と知った
 晴れているのに、手袋をしても指先がしびれるほど寒い朝。所用を片付けるため方々をめぐった。
 正午を過ぎると、さすがにそこまでひどくない。それでも寒い。
 あちらこちら待ち時間を文庫本を読んですごしたのだけど、薬局だけはテレビが点いていて、そこから冬季五輪開幕直前だと初めて知った。でも生中継は真夜中だから、視るのは録画だな。
2014.02.05  新しい財布
 暦の上では春でも、まだまだ冷え込んだ晴天。
 散歩のさなか、きのうカードの類いが増え過ぎて財布とは別に入れることにしたので、財布も新しい物に買い替えた。
 家に戻り、黙考。
 腕を動かして書いている時間よりも長かったな。
2014.02.04  みぞれから雪
 立春。
 朝方からみぞれ。夕方には本格的な雪となった。
 外はどんどん冷え込んでゆくようだ。
 もっとも僕は暖かい部屋で半日をあれこれと書いて過ごしたのだった。
2014.02.03  節分の文章
 朝になると子どもの熱は下がっていた。ほっ。
 きのうまでよりも幾分か暖かい町を走り、恵方巻を買ってきた。それが夕方には冷え込んできたので、さっさと豆を撒いて食べた。そんな節分。
 部屋で書く文章を考えこむには、うってつけの気候だったな。それが文章の出来に反映しているかどうかは、ともかく。
2014.02.02  黒の唄
 だいたい晴れた日曜日。
 ラジオが「黒」をテーマにした選曲を続けて、DJのボブ・ディランがビートルズの「ベイビーズ・イン・ブラック」をかけた時、次の曲はまさかローリング・ストーンズの「黒くぬれ」ではあるまいと考えてしまった者の一人が僕です。でも、そう思った人、大勢いると思う。ちなみに実際にかかったのはウォーレン・スミスの曲でした。
 夕食前、急に子どもが発熱。そのまま寝込んでしまう。インフルエンザかもしれないな。ふう。
2014.02.01  『霧のなか』を読みたい人へ (2)
 ときおり曇りの晴天。
 昼食の食パンを買いに出たりして過ごす。ありきたりな土曜日。
 絶版書を投票で復刻するサイト「復刊ドットコム」に『霧のなか』が登録された。1988年の刊行当初は、周囲の友人達と一部の著名人ならびに総合紙編集部宛に寄贈しただけの少部数発行本が、今こうしてリクエストされるというのは、著者として感慨深いものがある。できることなら、多くの人に投票ボタンをどんどん押してもらい、読者のお手元に届けたい。
2014.01.30  お迎えが近くなっても
 午前中晴れていたのが、午後二時には大粒の雨に。
 お気に入りの音楽を聞くなどして過ごす。
 ピート・シーガー最後のライヴ映像を視たけど、いかにも「お迎えが近い」という姿に見えた。それでも現役でやれたというのは、やっぱり凄いことなんだろう。
 お迎えが近くなっても優れた作を書き続けられる自分でいたいものだ。
2014.01.29  鼻炎
 三日前から空気に春がまぎれこむようになった。つまり少しずつ寒気が薄れている。それでもまだ寒いことに変わりはないのだけれども。
 散歩の途中、耳鼻科に寄ると、
 「鼻炎です」
という診断を受けた。なかなか全身健康体には戻らない。
 それでも家に戻り、あれこれ書いた。
2014.01.28  話し手になっている
 好く晴れた日。
 半日を病気の相方さんのそばに寄り添う。病気とはいっても相手は立って歩けるから、隣で話し手になっているだけ。それしかできることがない。
 買い物のため外へ出て、きのうよりも暖かいからコートではなくジャンパーにしたのだけど、それでも少し暑かった。
 帰宅後はまた看病。ふう。
2014.01.26  やがて夕焼け
 目覚めたら春のような陽気に驚く。
 読書の途中、外に出たら、空気はもうすっかり冷え込んでいた。雲梯で遊ぶよその子供達を横目にする。やがて夕焼けがうっすら町を彩る。そんな休日。
 帰宅して本は読了。とんだ駄作だったので、頭にきた。
2014.01.24  『霧のなか』を読みたい人へ (1)
 朝晩の冷え込みはきついけど、昼間は寒気が緩み、暖房が不要の部屋であれこれと書く。
 「歌集『霧のなか』が欲しい」
という連絡が届いた。あれは私家版として出版し、当時の友人や著名人や総合紙編集部に寄贈しただけだから、どこぞの図書館で見ていただくほかないだろう。
 一度だけ市販化の話があったけど、あの時は『霧のなか』ではなく最終的に自選集『ロール・アンド・クライ』の出版となったのだった。僕だってできるかぎり多くの人の目に触れて欲しい。あらためて市販の機会ができればいいのだけれど。
2014.01.22  「茂吉あれこれ」
 夜中に雨か雪が降ったらしく、湿った朝の目覚めとなった。
 朝食後すぐに外出。所用をすませて帰宅。
 そして読書。
 かつて図書館で雑誌『図書』をぱらぱらめくっていた頃、北杜夫の「茂吉あれこれ」の連載を楽しみにしていた。もっとも引っ越してその図書館に通わなくなってからはその雑誌に目を通すことも一時中断し、「茂吉あれこれ」も読了しないままこれまで来、最近ようやっと製本版に初めて目を通したら、連載版と内容が一部大きく違っていた。よくあることとはいえ、もっとも印象深い部分が大幅に改稿されていたので、ちょっとびっくり。どこまでが著者自身の意思で変更されたのか、著者が故人となった今では永遠に不明だろうけれど、後味の悪い改稿だったね。
2014.01.21  風はこちらに
 真冬にしてはひさしぶりに暖かい日和。
 そして今日も風はこちらに強く吹いてくる。
 2000年代も早くも十四年目。この間僕はいったい何をやっていたのか。けっして「中村光のギャグマンガを読んで笑っていた」だけではないはずだ。
 この人のマンガって時々詩的・文学的になるからね。時々。
 そして僕は手記を整理した。
2014.01.20  意外なみかん
 午前十時過ぎ歯医者へと自転車を漕ぐ。
 途中スーパーマーケットでみかん箱を購入するつもりだったのだけど、荷台の紐を持ってくるのを忘れたので、治療がすむと何処にも寄らないでそのまままっすぐ帰ってきたら、うちでは某所からみかん数十個が届いていた。
 こういうこともあるんだ。
 午後は読書。
2014.01.19  時の重み
 晴れているのに風が強い日。台風でも倒れなかった庭の物干し台をなんと二度も倒した。
 なんとなく読書に時を費やす。
 先日女性用Sサイズのガウンが手元に届いたのだけど、そういう小柄な女性は学生時代の知人一人しか思い当たらなかったので、eメールを送ったところ、さっそく返事が来て「わたしも年齢とともに少々体形が変わりまして」うんぬん。
 時の重みを感じた。
2014.01.18  通知eメールは無意味?
 曇天から時おり日が射し込む空模様。
 去年転居通知メールを方々に送ったのだけど、新住所宛に年賀状を三が日にくれたのは一人だけ。ほかは旧住所からの転送ばかり、そしてお返事年賀だった。みんなメールの内容など気に掛けていないのだろうか。
 午後、頭をかかえて数時間苦吟したけど、成果なし。ふん。
2014.01.16  僕はここにいるよ
 早朝きつい冷え込みを経て、正午にはぽかぽか陽気に。
 夜それでも子どもの左足がしもやけに。寒いのだなあ。
 読書に暮れた一日。
 ある古典歌人について「実在かどうかもはっきりしない」と簡単に説明されているのを読み、そういう主旨の論文もたしかに存在しているけど、少なくとも僕が知る限り平安時代や鎌倉時代の昔に実在を疑われた形跡はないのに、今の学者の説でこうもあっさり片付けられてしまうのを見ると、我が事のように寂しかった。
 「僕はここにいるよ」
と、声高く主張したくなった。
 満月の晩に。
2014.01.15  寒来冬蔵
 雪が降りそうな空模様。道端の水仙を眺めつつ歩く。初めて近所の釜飯屋に寄り、昼食を腹に入れた。
 こうも冷え込むと、高浜虚子がエッセイに千字文から引用してきた「寒来暑往秋収冬蔵」という言葉なんぞを思い出し、そうだ今は寒来で冬蔵だと、気候の変化に柔軟に対応しようと心掛けながら、ヒーターに火を入れ、偏屈な叙情精神が頭をもたげてくるのをどうしようもない。
 とりあえず書けるだけ書く。高額の電気代が請求されてくる日を頭の片隅に残して。
 なんとかなる。
2014.01.14  今度は右太股
 朝、目覚めると、右太股がつりそうになった。先日の左足といい、すべて気候のせいなのは知れているけど、たまらない。
 「晴れ時々くもり」の見本みたいな一日。
 炬燵で読書などしていた。
2014.01.13  立春の準備
 朝からとても冷え込んでいる。全身がしびれるように寒い。
 珍しく朝から一首詠んだ。
 買い物等で外出。町では、あちらにも、こちらにも開店前の店に行列が。成人の日だから新成人が群れているのだろうか。
 買い忘れたものがあるので夕方もう一度駅前まで行く。居間用の透明なテーブルカバー。毎年歳末に替えているのに今年はバタバタして忘れさられていた。セールの本日手に入れ、大安の立春にでも取り替えよう。
2014.01.12  始まりの感
 寝過ごした。起床九時前。
 空は晴天。
 きのう鏡割した餅をお雑煮にして食べた。
 周囲では、正月のお飾りを燃やすどんと焼きの日程があちこちである。いよいよ一年の始まりの感。
 はたして今年は何冊の仕事ができるか。とりあえず書けるだけ書こう。
 大相撲初日。横綱が一人休場だわ、綱への昇進を賭けた力士がいきなり完敗だわ、白熱した優勝争いはあまり期待できそうもないな。
2014.01.11  左足がつった
 起床すると、左足がつったようにしびれていた。おそらく寒気のせいだろう。
 きのう家まで走った時にも、左足が軽くつった感じになったのだ。体が気候に追いつかない。大寒波襲来といったところだろうか。
 白昼は主に読書。
 健康がしだいに快復してきて、ここ数日あれこれ書きながら悩んでいる。まあ、きちんと書ければそれで良い。
2014.01.10  情報では雪
 強い寒気が流れ込んでいるようで、日が陰ったら、とても冷える。
 昨夜からたびたび「市内に雪」という情報を受け取りながら、なぜか僕が窓の外を見ても降っていない。この寒気で降れば雪に決まっているのだから、降っていても驚きはしないだろうけど。
 駅前に出て、人へのプレゼントを見つくろう。
 途中、階段の踊り場でベンチに座り、ホットコーヒーを飲んだのは、好い店が全部閉まっていたり、満席だったりしたから。ついでにケーキも食べた。
2014.01.09  気候の差
 未明の雨を残した町は、なかなか晴れることなく、時が過ぎた。
 午後一時半、外へ出ると、やっぱり降ってくる。それから強まったり、弱まったり。帰時の夕方にはたまたま止んでいた。
 夜はとても冷え込む。それでもかつて住んでいた西御門の家ほどの冷え込みはない。家ではなく、土地の気候の差だろう。
2014.01.08  つながらない携帯電話
 朝食前、電話を数名に掛けたけど、一人だけ携帯電話なのに何度掛けてもつながらない人がいた。長時間電源を切っていたらケータイの意味がないような気がしないでもない。
 午前中は晴れたので、銀行や郵便局などをめぐる。喪中の相手に寒中見舞を投函。
 帰宅すると、留守電にさきほどの人からのメッセージが入っていた。
 午後は細かい雨がときおり降って、寒さが緩んでくる。すべての暖房器具のスイッチを切って、書いていた。
2014.01.07  読んで、伏せて、掛けて、消す
 小寒が過ぎて、晴れても、寒い。
 体調はたいして改善しないまま。ただ体を休めて時を過ごす。本を数ページ読んで、伏せて、CDを二、三曲掛けて、消す。ほかはぼんやり畳に寝そべったりなどしていた。まさに病人そのものだね。
2014.01.05  トランプや坊主めくり
 体調を崩した。頭痛がひどい。
 崩れたまま、それでも子どもの相手をする。トランプや、坊主めくり等。当然ながら病状はいっそう悪化。
 ひどい一日だ。
2014.01.04  誤配賀状
 年賀状が一枚他所のが誤配されてきた。住所からして近所宛だろうとは思うが、何処の誰かは知らない。とりあえずポストに投函しておくから、もう一度配ってもらおう。
 僕の出した年始の挨拶は、ちゃんと元日に届いたろうか。早くに投函したのだから大丈夫とは思うが。三日などに回されたりしていなければ善いのだけれど。
 うっすら煙った空。冷え込んだ部屋で読書にふけった。読書正月。それもまた善し。
2014.01.02  お返事年賀
 今日も快晴。
 ぼんやりなんなりと書いて過ごす。
 二日間で思いの他以上の年賀状が届いた。
 午後、駅前郵便局まで行き、その前の屋台テントで年賀状を購入。帰宅後さっそく元日分の返信を書いて、近所のポストに投函した。出していない相手から届いた場合は例年の恒例。
 今年の日本郵政グループの宣伝によれば、お返事年賀というそうな。単純だけど、悪くないネーミングではあるな。
2014.01.01  「酔え」
 今年も年頭は初日の出を拝みに行く。
 入江に立つと、やがて東の尾根の影がしだいに背後から近付いてきて、日の出のタイミングがはっきり予告されていたので、数歩左横に移動して日向に出たら、尾根から太陽が顔を出した。あまりに順当過ぎて感動には少々欠けたかな。
 あちこちでお屠蘇や甘酒などのアルコールをいただく。こういう日なればこそ、だ。いずれも元は神社からの授かり物。たまには「酔え」ということか。
 そうして酔いが醒めてから歌をひねる。酔っていては書けないね、僕は。

 2013年12月以前

三宅惺オフィシャルウェブサイト